「アプリを開発したいものの、どうやって進めていけば良いか悩んでいる」といった相談をよく耳にします。
そこで今回の記事では、アプリ開発の未経験者の方に向けて、エンジニアでなくてもアプリ開発について理解できるように説明します。
また、アプリ開発を外注する方向けに、アプリ開発費用の平均や相場から、アプリ開発を依頼する際の注意点までに関しても解説します。
目次
スマホアプリ開発の企画からリリースまでの流れ
アプリ開発の大まかな流れについて、要点をまとめてご紹介します。
企画書の作成
まず最優先で行うべきは、アプリの詳細な概要を企画書にまとめる作業です。
企画書を作成する際は、ユーザー像の明確化や他社アプリとの差別化ポイント、マネタイズのモデルを考えるのがとても重要です。
新しいスマホアプリの企画書を作成する上で、リーンキャンバスという考え方が役に立ちます。
リーンキャンバスでは9つの観点(顧客セグメントや自社独自の価値など) から、事業のプランを構築します。
一枚のシートに事業プランをまとめるため、素早く目で見て理解しやすい事業プランを完成させることができます。
開発をはじめる前に、しっかりとアプリのユーザ像やサービスの強み、ビジネスモデルを整理しておきましょう。
Webアプリかネイティブアプリのどちらを開発するかを決める
アプリの種類は大きく分けてWebアプリとネイティブアプリがあります。
Webアプリとは、インストールせずともブラウザ上で利用できるアプリです。GoogleChromeなどのブラウザで利用するGmailなどがWebアプリに該当します。
一方でネイティブアプリとは、スマホなどのデバイスにダウンロードした上で利用するアプリです。AppStoreやGooglePlayからダウンロードしてスマホのホーム画面に置いているアプリがネイティブアプリです。
どちらを開発するかによって、アプリ開発に用いるプログラミング言語が異なります。加えて、それぞれの持つメリットとデメリットにも違いがあります。
あらかじめメリット・デメリットを踏まえた上で、どちらのアプリを開発するかを早い段階で決める必要があります。
両者の違いについては、下記記事にて詳しくご紹介しています。
プラットフォームの決定
ネイティブアプリで開発する場合は、iOS(iPhone)とAndroid、どちらのプラットフォームでアプリを開発するかも決めなくてはいけません。
日本国内では若干iOSの利用者が上回っていますが、世界的にはAndroidユーザーの方が多いです。また端末の販売価格は、iOS端末の方が圧倒的に高価格であり、iPhoneユーザは比較的金銭的な余裕があるユーザが多く課金率も高いと言われています。
日本国内のアプリ開発の場合、iOSアプリを先にリリースするケースの方が多い印象です。
iOS、Androidそれぞれプラットフォームの特徴がありますので、アプリのターゲット層や展開する国などを踏まえた上でプラットフォームを決めましょう。
採用する開発言語の決定
先ほどもお伝えした通り、iOSアプリとAndroidアプリでは、開発に使用する言語が異なります。
iOSアプリではSwiftやObjective-C、AndroidアプリではKotlinやJavaなどの言語を用います。自社内で開発する際は、社内の人材が使える言語などを踏まえた上で採用言語を決めるなど、開発担当者とよく話あって開発言語の選定を行いましょう。
個人的な意見としては、2019年時点からアプリ開発を新規で行うのであればiOSであればSwift、AndroidであればKotlinがおすすめです。
要件定義
アプリの企画が完了したら、要件定義を行います。要件定義のプロセスでは、開発したいアプリのUI(ユーザインターフェース)や、機能を具体的に定めます。
あらかじめ要件定義をしておくことで、想像をしていた内容と違ったアプリができてしまったなんて自体を避ける事が可能になります。
新規のスマホアプリ開発は、期間は数ヶ月、もし外注するとしたら数百万円の費用がかかってしまう大きなプロジェクトですので、事前に要件定義をしっかりと行いましょう。
要件定義の詳細は下記記事でも説明しています。
モックアップの作成
次に要件定義に基づいて、アプリのモックアップを作成します。
モックアップとは、実際にプログラミングをはじめる前に、イラストや画像を利用しアプリの完成イメージ像です。
モックアップを作成する事で、開発の結果どのようなプロダクトができるのかを、視覚的に確認する事が可能になります。
企画書や要件定義書などの文章だけだど、どうしても完成イメージ像が読む人によって異なってしまう可能性があります。
ビジュアルで確認できるモックアップを作成する事で、開発関係者間での共通認識を持つ事ができるのです。
開発途中で、機能に関する後々大幅な手戻りが生じるのを防ぐ上で、モックアップの作成はとても重要なプロセスです。
モックアップについては、下記記事で詳しく解説しています。
アプリの開発
要件定義とモックアップの作成を終えたら、いよいよアプリを開発していきます。要件定義とモックアップで完成像のイメージを明確にできていれば、技術力のあるエンジニアや信頼できる開発会社に依頼すれば、スムーズにアプリを開発できるでしょう。
逆に前準備(要件定義など)が不十分のまま開発を始めると、途中で大幅な手戻りが生じる(いわゆる炎上状態に陥る)恐れがあります。
炎上状態を防ぐためにも、実際にアプリ開発を開始する前にしっかりと前準備するのがベストです。
アプリの審査
ネイティブアプリの場合、アプリ開発が終わっても、審査を経なければ基本的にリリースできません。
GooglePlayでAndroidアプリをリリースする場合は、公開前には審査がないため、ストアに登録した時点でリリースできるようになります。
しかしAppStore(iOSアプリ)の場合は、リリース前に審査が必要となります。何も問題がなければ早ければ2日程度で審査は終了しますが、Appleからの指摘が入り長期化した場合、1ヶ月前後の時間がかかる事もあります。
審査期間が長期化した時の事も考慮し、リリース予定日の2週間前にはアプリを審査に出した方が良いでしょう。
アプリのリリース
最後に、開発したアプリをリリースする作業を行います。ただ単にアプリをリリースしただけでは、膨大な数があるアプリの中から、ユーザに発見してもらいインストールして利用してもらう事は困難です。
そこでアプリをリリースする前後で、しっかりとプロモーション施策を行い、顧客を集める必要があります。
アプリのプロモーション施策には、ASOやプレスリリースなど特に費用がかからずに出来る事もありますので、事前に対策を行いましょう。
リリースしてからが本番!ヒットアプリにする為にやるべき事
アプリはリリースして終わりではありません。ヒットするアプリにするためには、リリース後がむしろ大事になってきます。
継続的なアップデート
3.63.0 | 11/22/2018 |
3.62.0 | 11/14/2018 |
3.61.0 | 11/07/2018 |
3.60.0 | 10/30/2018 |
3.59.0 | 10/18/2018 |
3.58.0 | 10/03/2018 |
3.57.1 | 09/25/2018 |
3.57.0 | 09/20/2018 |
3.56.1 | 09/18/2018 |
3.56.0 | 09/14/2018 |
このデータは、なんの数字だと思うでしょうか?
こちらは、2018年9月から11月までの3ヶ月間で、メルカリのiOSアプリがバージョンアップされた日付です。見て貰えれば分かる通り、1ヶ月に3回のペースでバージョンアップしています。iOSアプリだけでなく、Android版もほぼ同じペースでバージョンアップを実施しています。
あの超有名アプリのメルカリでさえも、月に3回以上のペースで改善を続けているのです。
最初から100%顧客のニーズを踏まえたアプリを開発するのは極めて困難です。
リリース後は、顧客のフィードバックを得ながら継続的にアップデートを行う事でアプリの完成度を高めていく事が、ヒットアプリをつくる上で重要になります。
プロモーション戦略(集客戦略)
また、リリース後のプロモーション戦略も重要です。Webサイトやソーシャルメディアの活用により、少しでも顧客からの認知度を高める必要があります。
サービスオープン時点で行う、プレスリリースとASO以外にも、Webサイトを設けてSEO対策を行い検索エンジン経由での集客を狙うなど、ユーザ獲得に向けて継続的にプロモーションを行っていく必要があります。
アプリ開発の外注、依頼する際の注意点
最後に、アプリ開発を外注する際に知っておきたい注意点を3つご紹介します。
アプリ開発費用の相場を知っておこう
アプリ開発を外注する以上、開発費用の相場は最低限知っておく必要があります。
アプリ開発の費用は、開発するアプリの内容に応じて以下の通り相場が変わってきます。
マッチングアプリ(iOS & Android)→600~700万円
単語帳アプリ(iOS)→220~280万円
ECアプリ(iOS & Android)→500~550万円
※実際には、より詳細な機能ヒアリングを行った上で、納期、テスト、ドキュメンテーション等、様々な要素を考慮して最終的な見積りが決定されます。上記は見積り金額はあくまで目安とお考えになっていただければと思います。
高いと思う方もいるでしょうが、このような見積もり金額にはエンジニアの人件費が含まれています。エンジニアの単価は一ヶ月で65~100万円(一人当たり)となるため、どうしても数百万円の費用は必要になります。加えて、対応するOSや機能が増える場合には費用がさらに増加します。
このようにアプリ開発には多額の費用がかかるため、MVPのアプローチで開発するのがオススメです。
MVPのアプローチでは、顧客が利用する上で最低限の価値を持った試作品を、短期間かつ最小費用で開発・リリースします。試作品により得たフィードバックを基に、他の付随的な要素の開発に取り掛かります。
MVPのアプローチを取り入れることで、開発費用を最小限に抑えられる上に、開発期間の削減効果も期待できます。
MVPの考え方については、下記の記事で詳しく解説しています。
見積もり価格だけで選ぶのは危険!
アプリ開発を外注する際、やはり安ければ安いほうが良いと思うかもしれませんが、価格だけで開発会社を選ぶのは非常に危険です。
基本的に能力のあるエンジニアほど、人件費が高くつきます。ですので、一概には言えませんが見積もり価格があまりにも安すぎる場合、「安かろう悪かろう」になる可能性が高いです。
見積もり価格でやすさを重視しすぎると、安物買いの銭失いになるリスクがあるので十分注意してください。
外注先にアプリ開発を丸投げしない
「お金を払って外注してるんだから、あとは全部うまくやってくれ!」といったスタンスで開発会社とつきあうと、なかなかうまくいきません。
アプリが完成してから、こんなはずじゃなかったとならない様に、開発開始前に要件定義やモックアップ作成で完成像のすり合わせをしっかり行うだけでなく、開発中も定期的に進捗確認などを行いましょう。
発注する側も開発プロジェクトの一員として密度の高いコミュニケーションをとる事で、なにか問題が起きた際もすぐに把握できますし、よりイメージ通りのアプリを開発しやすくなります。
期待はずれのアプリを開発して費用を無駄にしないためにも、外注先に丸投げするのではなく、自らもプロジェクトメンバーの一員としてコミットメントした方が良いでしょう。
最後に
アプリ開発の流れや外注する際の注意点など、アプリ開発を行う上で最低限知ってもらいたい内容をご紹介しました。
自社で開発するにしろ外注するにしろ、しっかりと戦略を立てた上でプロジェクトに取り組むことが大切となります。
最後に弊社の事業内容についてご説明させてください。弊社では、新規事業を対象としたアプリ開発やシステム開発を承っております。
アプリ開発の必要性が生じた際には、ぜひお気軽に弊社へご相談ください!