システム開発を外注する際、参考になる意見やデータがなくて困っている方は少なくないかと思います。
弊社は事業としてシステムの受託開発を行っているだけでなく、システム開発の外注したこともあります。
今回の記事では、そこから得たシステム開発を外注する際の注意点やメリット・デメリットを、技術者でない方にも分かりやすく解説します。
目次
40%近くのシステム開発プロジェクトは失敗している!?
いきなり耳の痛い話をしますが、とあるデータによるとシステム開発のプロジェクトのうち40%近くは失敗していると言われています。失敗・成功の定義にもよりますが、半分近くの発注者は上手くいかなかったと思っているという事です。
つまりシステム開発のプロジェクトは、お金を出せば成功するといったシンプルで簡単なものではない訳です。システム開発を外注する際は、依頼するパートナー選びや、事前準備などをしっかりと行う必要があります。
システム開発が失敗する要因を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
システム開発を外注するメリットとデメリット
システム開発を外注するメリットとデメリットを分かりやすくお伝えします。
システム開発を外注するメリット
システム開発を外注すると、自社内に専門知識を持った人材がいなくても、業務システムやアプリを開発できるメリットがあります。自社で一から技術者を採用もしくは育成する場合と比べると、製品完成までの時間を短縮できるでしょう。
また自社内にエンジニアがいたとしても、部分的に外注化することで、経営資源を主要な事業内容に集中投下できるようになります。人材が不足しがちな新規事業にとって、主力事業に集中できる点は大きなメリットです。
システム開発を外注するデメリット
一方でシステム開発を外注すると、技術開発のノウハウが社内に蓄積されないデメリットが生じます。将来的に内製に切り替える場合、一からノウハウやスキルを蓄積しなくてはいけなくなります。
また、信頼できる開発パートナーを見つけられないと、品質管理が行えず目的に沿ったシステムを開発できなくなる恐れがあります。(特に社内に技術者がいない状態で、外注すると品質管理の難易度は上がります)
また、自社の事業に関するノウハウや情報が社外に流出し得る点もデメリットの一つです。情報流出を防ぐためにも、正式に依頼する前に必ず秘密保持契約を締結しましょう。
システム開発の外注は、開発会社(開発パートナー)選びが重要
システム開発の外注を成功させるためには、依頼する開発会社選びがカギとなります。
オーダーメイドでのシステム開発は、技術者の質に大きく左右されます。どこまでいっても労働集約型の業務なので、開発者のレベルで成果物の出来が左右される訳です。
これは実際に業務を行うエンジニアの技術レベルの話に限らず、プロジェクトマネージャーの管理能力や、営業担当の要件を理解する能力にも言えることです。
システム開発を外注すると、数百万円以上の高額な費用がかかる上に、数ヶ月に渡る開発期間を要します。
いわば大規模な投資となるため、時間とコストを無駄にしない為にも、依頼する外注先の開発会社選びを慎重に実施しなくてはいけません。
システム開発を外注する前に注意したい点
ここでは、システム開発を外注する前に注意したい点を5つご紹介します。ここでご紹介する注意点を意識すれば、外注におけるメリットを最大限享受できるでしょう。
作りたいものを考え抜く
大前提として、開発してほしいシステムの内容に関しては、あらかじめ考え抜いておきましょう。
誰かに仕事を依頼する際、自分自身が理解していないことは、他人に上手く頼めないものですよね。これはシステム開発の外注でも同様です。
技術に関する専門的な知識は必要ありませんが、どういうものを作ってほしいかは外注先に説明できるようにしておきましょう。
外注先に希望の仕様を説明できないと、想定外のシステムが出来上がるなど、システム開発が失敗する可能性がグンと上がります。
開発会社の担当者との相性を見極める
満足いくプロダクトを作ってほしいならば、コミュニケーションを通じて依頼相手にそれを伝えなくてはいけません。どれほど優秀な開発会社であっても、担当者がコミュニケーションを取りづらい相手であった場合、システム開発は失敗しやすいです。
価格だけで外注先を選ばない
優秀なエンジニアは引く手数多なので、エンジニアの技術力が高いほど、一般的にはプロジェクトに要する価格は高くなります。
裏を返すと市場相場を大きく下回る費用感でのシステム開発の外注は、「安かろう悪かろう」になってしまう傾向が強いです。
安すぎる見積もりを出してくる開発会社は、完成物の質が低くなる可能性があるので注意した方が良いでしょう。プロジェクトが失敗すると、それまで費やした多額の費用や膨大な時間が無駄となってしまいます。
システム開発を外注する際は、安物買いの銭失いにならない様に注意しましょう。
中には、外注先に出された見積もりが高すぎると思うこともあるかもしれません。その際には、以下の記事を参考に見積価格の妥当性を検討してみてください。
保守・運用費用も予算に組み込む
システムをリリースした後には、保守・運用費用が必ず発生します。具体的には、サーバーの利用に要する費用や機能追加に要する費用など様々です。
特に機能追加や改善には大きな費用が発生するので、必ず予算に組み入れておく必要があります。
どの程度発生するかはシステムの内容次第ですが、あらかじめ発生額をシミュレーションしておきましょう。
詳しく保守・運用費用について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
契約内容を入念に確認する
システム開発の外注に限らない話ですが、ビジネスの取引である以上、契約内容は入念に確認する必要があります。
口約束のみでは、後ほど双方の言い分に相違が生じ、大きなトラブルに発展する恐れがあります。リスクを回避する上でも、契約内容は必ず確認しましょう。
システム開発を外注した後に注意したい点
システム開発を外注した後も、いくつか注意すべき点があります。
要件定義書、仕様書を徹底的に読み込む
システム開発を外注先に依頼すると、開発を進める前に要件定義書や仕様書を提供されます。仕様書とは、依頼したシステムの機能や性能が記された書類です。大規模なプロジェクトになればなるほど文章量が増えてきますが、仕様書は徹底的に読み込む事をおすすめします。
仕様書の内容通りに開発が進められるため、確認を怠り、リクエストした内容と異なったプロダクトが出来上がる可能性があります。後から要求とは違うといっても、仕様書に記載していた内容を変更するという事で、追加費用が発生してしまいます。
目に見えないものを作るので、初期段階では外注先との認識に相違がある可能性があります。仕様書を徹底的に確認し、内容に問題がないか確認しましょう。
外注先にシステム開発を丸投げしない
外注先にシステム開発を丸投げする方は少なくありませんが、開発がスタートした後も丸投げしない様にしましょう。
信頼できるパートナーが見つかり、その二社間で開発実績がある場合には、ある程度丸投げしても問題ないです。
ですが基本的には、発注者サイドも開発プロジェクトにコミットする必要があります。
コミットするといっても、技術的な内容を理解する必要はありません(もちろん一定程度知っていた方が、コミュニケーションを取りやすくなるので、理解して損は無いでしょう)。
開発会社に丸投げせず、チームの一員としてコミットすれば、開発会社側に緊張感が生まれて生産性が上がります。
また、普段からプロジェクトに参加していれば、トラブルが生じた際に、迅速に軌道修正しやすいですし、正確に作りたいものを伝える事で、良い成果物を作りやすいメリットもあります。
最後に
今回は、システム開発を外注する際のメリット・デメリットや注意点をご紹介しました。
要点をまとめると、丸投げせずチームの一員となってシステム開発に関与することが、システム開発を成功させるポイントと言えます。
私たちの会社でも、新規事業に特化してシステム・アプリの受託開発を行っています。システム開発の外注を検討する際は、ぜひ気軽にご相談・ご依頼して下さい。