近年はIT技術が急激に進歩を続けており、私たちの生活にとってIT技術は欠かせないものとなっています。

IT技術の急激な進歩に伴い、「ICT」という言葉をよく耳にするようになりました。聞いたことはあっても、ICTの意味まで知っている方は中々いないかと思います。

そこで今回の記事では、ICTの意味やITとの違い、ICTを活用したソリューションの事例などを、専門家でない方でも分かりやすいようにお伝えします。

ICTとは?ICTの意味

ICTとは、”Information and Communication Technology”の略称であり、「情報伝達技術」または「情報通信技術」という意味の用語です。

情報伝達(通信)技術という言葉が表す通りICTには、インターネットによる通信技術を利用し、「人とモノ」や「人と人」による情報や知識の共有を図る意味合いがあります。

インターネットを介して利用するデバイスが急激に普及している昨今、ICTという概念は非常に重要な意味合いを持ち始めています。

ICTとITの違い

ICTとITの違い

ICTと似た用語に「IT」という用語があります。一見似た意味を持っていそうですが、ICTとITには大きな違いがあります。

そもそもITとは、”Information Technology”の略語であり、PCやインフラなどの情報を処理する技術の総称として使われています。つまり”IT”といった場合、単に「情報を効率的に処理できる技術」を意味します。

一方でICTと言った場合は、ITとは違い、技術を有効活用することで情報を伝達・交換することに焦点を当てています。要するにICTは、「IT技術をどのように活用するのか(すべきか)」に着眼点を置いています。

技術力の急激な発展によりIT技術が広く普及している昨今、世界的には「IT」よりも「ICT」を重視する動きが活発化しています。

ICTを活用したソリューションの事例

ICTの意味やITとの違いを理解したところで、具体的にICTがどのように活用されているのかをお伝えします。

ここでご紹介する情報を読むことで、「ビジネスや一般社会に対して、ICTがどのようなソリューションをもたらすか」を理解してもらえれば幸いです。

農業でのICT活用事例

農業でのICT活用事例

農業分野では、ICTによる「スマート農業」の推進が図られています。

スマート農業とは、ICT技術などの活用により、省力化や高品質生産を実現する農業の方法論です。高齢化や人材不足が進行する日本の農業分野において、ICTは今後多大なソリューションをもたらすと予想されています。

たとえばICTの考え方に基づいて、収穫作業をロボットやAIに行わせることで、労働力不足の解消につながる事が期待されています。

また、ビッグデータやIoTの活用により、消費者のニーズに基づいた需要予測や製品開発が可能となり、コスト低減や市場の拡大を実現できる可能性もあります。

現在ICTを活用し、上記のようなソリューションが実践され始めています。近い将来、農業分野のあり方が大きく変わるかもしれません。

医療でのICT活用事例

医療でのICT活用事例

人の健康に関わる医療分野でも、ICTは多大なソリューションをもたらすと考えられています。

たとえばAIやビッグデータを活用し、個々人の症状・体質に応じて、適切な診断や治療を施すことを目指す研究事例があります。

他にも、IoTの活用により遠隔治療の技術が確立する事で、医者不足の地域や過疎地域に住んでいる高齢者が、適切な治療を受けられるようになる事も期待されています。

以上のようにICTは、高齢化や地域の過疎化が進行している日本において、価値のあるソリューションをもたらし得ます。

介護でのICT活用事例

介護でのICT活用事例

人手不足が問題となっている介護業界でも、ICTによる諸問題のソリューションが期待されています。

たとえばクラウド上に介護対象者の情報を記録しておく事で、簡単に患者の情報を探し出すことが可能となり、労働者の負担軽減につながります。

一人一人に合った介護が可能になるため、介護の対象となる高齢者にとっても、ICTの活用はメリットが大きいです。

現在介護業界では、ICTを活用する事例は非常に少ないのが現状です。しかし今後、高齢化の影響で介護業界の需要が高まるにつれて、ICTの有効活用が必須となるでしょう。

建設でのICT活用事例

建設でのICT活用事例

ICTによるソリューションを大きく期待されているのが、建設業界です。他の業界と比較しても、建設業界でのICTの活用事例は非常に多いです。

たとえば清水建設さんでは、ロボットと人が連携して工事を進めるシステムを開発しました。70%程度の省人化を期待できるこのシステムは、今後実際の建築現場での活用が想定されています。

他にもドローンによる3D測量や3Dプリンタによる建材の制作など、ICTは建設業界に多くのソリューションをもたらしています。

労働生産性の向上を実現し得るICTの活用は、今後さらに重視される様になる可能性が高いでしょう。

日本政府(地方自治体)によるICT活用によるソリューションの事例

近年は日本政府や地方自治体でも、ICTを活用して諸問題のソリューションを図る事例が増えています。

ここでは「地域活性化」、「教育」、「防災」の観点から、自治体や政府によるICTの活用事例をご紹介します。

地域活性化に対するICTのソリューション

地域活性化に対するICTのソリューション

地域活性化に対するICTのソリューションとして、官民協働による地域資源観光シェアリング化事業をご紹介します。

この事例では、「TABICA」というシェアリングエコノミーのプラットフォームを用いた地域活性化の事例が紹介されています。

2016年の時点で月間流通総額540万円を突破したり、地域雇用を創出したりと、ICTによる地域活性化は順調に進んでいるようです。

教育に対するICTのソリューション

教育に対するICTのソリューション

教育に対するICTのソリューションとして、遠隔地の距離的・時間的な制約を解決するICTの活用事例をご紹介します。

一般的に過疎地域では、一校あたりの人数が少ないことなどを理由に、満足いく教育を子供達に施せないデメリットが生じてしまいます。

そこでICTにより遠隔地にある小中学校や町外施設をつなぐ事で、過疎地域にいる子供でも、十分な教育を受けられるようになりました。

場所や時間に左右されないICTの特性は、教育分野に大きなソリューションをもたらすことが、この事例から見て取れます。

防災に対するICTのソリューション

防災に対するICTのソリューション

大きなソリューションをもたらすと考えられている防災分野の中でも、今回は「リアルタイム津波の浸水・被害予測」へのICT活用事例をご紹介します。

この事例では、リアルタイムで津波による被害予測を可能とするICTのシステム運用が紹介されています。地震から20分以内に被害予測を完了する事により、津波による被害の抑制が期待されています。

南海トラフ巨大地震などが危惧されている中、このシステムの実用化は多方面から注目を集めています。

最後に

今回はICTの意味やITとの違いなどをご説明しましたが、ICTの有用性が分かって頂けたでしょうか?

農業や建設をはじめとして、ICTは多様な分野で活用されています。現在日本の産業が抱えている諸問題は、将来的にICTにより解決へと向かうかもしれません。

今後新規事業を始める予定の方は、ICTを活用したビジネスを始めるのも一つの選択肢かと思います。

最後に私たちの会社についてご説明させてください。弊社では、新規事業を行う方向けにアプリやシステム開発を随時承っています。

新規事業でアプリやシステムの開発が必要となった方は、ぜひお気軽にご相談ください!

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