新規事業を立ち上げる場合、どのようにしてビジネスプランを決定しますか?
いざ新規事業のビジネスプランを考えようとしても、事業化できるプランを考えるのはそう簡単ではないでしょう。
新規事業のプランを考える手段として近年注目されているのが、「社内ビジネスプランコンテスト」があります。社内ビジネスプランコンテストを導入し、新規事業を成功させた企業は少なくありません。
今回は新規事業の立ち上げに役立つ、ビジネスプランコンテストの実例をいくつかご紹介します。新規事業の立ち上げを検討している方は、是非とも参考にしていただけると幸いです。
目次
社内ビジネスプランコンテストとは?
社内ビジネスプランコンテストとは、会社内で参加者が作成したビジネスプランを持ち寄り、ビジネスとしての完成度や発想を競うコンテストです。
参加者はビジネスプランコンテストで優勝すれば、賞金を獲得できたり、事業化にに向けて予算提供を受けられたりします。
社内ビジネスプランコンテストによる新規事業の創出
社内ビジネスプランコンテストにより新規事業を立ち上げるメリット
社内ビジネスプランコンテストを開催すると、以下2つのメリットを期待できます。
社内から良いビジネスプランを集められる
ビジネスプランコンテストでは、チャレンジ精神が豊富であったり起業家志望の従業員など、社内にいる優秀な人材からビジネスプランを募集する形になります。
その中から最も優れたビジネスプランを選定するので、経営陣の気づけなかった魅力的な事業アイディアを発見する事が出来る可能性があります。
従業員のチャレンジ精神を掻き立てることができる
経営陣が新規事業のプランやメンバーを決定する場合と比べて、従業員のチャレンジ精神を掻き立てることができる可能性が高いです。
社内には、チャレンジ精神を持つものの、それを活かしきれていない人材が埋もれているかもしれません。社内ビジネスプランコンテストを開催すれば、そうした人材に活躍の場を提供できます。
社内ビジネスプランコンテストにより新規事業を立ち上げる難しさ
社内ビジネスプランコンテストを開催し、新規事業を立ち上げることは簡単ではありません。
今現在社内には無い新しい価値観やアイデアが、新規事業を成功させる上でキーファクターとなるケースが多いです。ですがビジネスプランコンテストでは、社内の経営陣が審査員となる場合が大半であるため、既存事業と離れた前例のない取り組みは過小評価されてしまう事があります。
そうなってしまうと結果的に社内ビジネスプランコンテストを開催しても、市場に十分なインパクトを与える新規事業は生まれなくなってしまいます。
社内ビジネスプランコンテストを成功させるポイント
以下の3点は、社内ビジネスプランコンテストを成功させる上で重要なポイントでしょう。
多面的な視点で審査する
先ほど述べた通り、審査員が既存事業の強みや、戦略を意識しすぎて評価すると、革新性のあるビジネスが過小評価されてしまう可能性があります。外部審査員や、若手の審査員も含めるなど多面的な視点から評価する仕組みをつくるのも有効でしょう。
インセンティブ設計
社内ビジネスプランコンテストを開催する際は、報酬や昇進などのインセンティブを設定するのも有効でしょう。インセンティブが無いと、忙しい中ビジネスプランの策定しようといった気にならない人が大半になってしまうかもしれません。参加のハードルを下げる為に、何かしらのインセンティブを検討してみるのもよいかもしれません。
事業化する際は最大限フォローする
当然ですが、新規事業を軌道に乗せるためには、ただ単に予算を渡して、事業化を許可するだけでは不十分です。
社内にある経営資源を可能な限り提供したり、社内外の人脈構築を補助することが求められます。
社内が一丸となって初めて、新規事業が成功する確度が上がります。
社内ビジネスプランコンテストの実例
ここでは、社内ビジネスプランコンテストの実例を、3例ご紹介します。
リクルート
新規事業を次々と成功させているリクルートですが、その背景には「NewRING byRMP」という社内ビジネスプランコンテストがあります。
リクルートの社内ビジネスプランコンテストでは、これまで「ゼクシィ」や「スタディサプリ」など、数々の人気事業を生み出しています。
リクルートの社内ビジネスプランコンテストは、一次審査と二次審査、最終審査の計3つの審査から構成されています。二次審査を通過すれば30万円、最終審査でグランプリに輝けば200万円の賞金を受け取れます。
成功が困難と言われている社内ビジネスプランコンテストを経て、多くの新規事業を成功させている理由は、優秀な従業員と潤沢なリソースを使った支援があるからだと思います。
業界有数の優秀な社員がチームとなって事業プランを考え、その中からグランプリが選ばれます。
その後、選ばれた事業プランに対して、リクルートが全面的にサポートするからこそ、新規事業を成功させられるのでしょう。
LIFULL
不動産・住宅情報の総合サイトなどを運営するLIFULLでは、「SWITCH」という社内ビジネスプランコンテストを開催しています。
「SWITCH」の制度では、「Ideation」、「SWITCH」、「Pre-Seed」、「Seed」、「Early」という5つのステージに分けて、新規事業を展開していきます。
エントリー前段階である「Ideation」では、勉強会や新規事業を立ち上げた人とのランチ会などを実施します。次段階である「SWITCH」では、社内ビジネスプランコンテストの応募から入賞者の決定までを行います。
入賞プランが決定されたら、その後の段階で事業化や子会社化を行い、本格的に新規事業を展開していきます。
LIFULLの社内ビジネスプランコンテストの特徴は、子会社化された後は完全に独立した事業として行わせる点です。そのため、事業化後は経営者の育成にも力を入れるそうです。
単純に新規事業を展開する訳ではなく、グループ子会社を担う経営者の育成を重視する点は、LIFULLの社内ビジネスプランコンテストの特徴です。
サイバーエージェント
Amebaブログなどで有名なサイバーエージェントでは、「あした会議」という社内ビジネスプランコンテストを開催しています。
あした会議の特徴は、役員がチームリーダーとなって、チーム単位で新規事業を提案する点です。1泊2日の合宿を通じて、革新的な新規事業のプランを考えていきます。
これまで社内ビジネスプランコンテストで、28社の子会社が設立されました。「あした会議」で設立された会社の売上は、合計で700億円にのぼります。
優秀な社員や役員が一丸となって新規事業を本気で考える為に、質の高いビジネスプランが生み出されるのでしょう。
最後に
今回は、参考にしたい社内ビジネスプランコンテストの実例をいくつかご紹介しました。
確度の高い新規事業を立ち上げる手段として、社内ビジネスプランコンテストは大いに役立つかもしれません。
今回お伝えした情報が、新規事業を立ち上げる際に役立てば幸いです。