弊社はアプリ開発の依頼を受けた際、開発を開始する前に必ずモックアップを作ります。何故なら、モックアップを通じて完成物のイメージをクライアントとすりあわせをしっかり行うことが、とても重要だと考えているからです。
今回の記事では、モックアップの意味や必要とされる理由や、簡単にモックアップがつくれる便利なツールをご紹介します。
モックアップとは?モックアップの意味
モックアップとは、最終的な完成物を画像やロゴなどの静的要素を用いて表したものを意味します。
つまりモックアップは、開発の結果どのようなプロダクトができるのかを、視覚的に確認する意味合いで作成するものです。
モックアップを作るメリット
システム開発の現場で重要とされるモックアップですが、どうして重視されているのでしょうか?
システム開発の際にモックアップを作るメリットとしては、主に以下の3点が考えられます。
制作物の内容を明確にできる
テキストベースの仕様書やワイヤーフレームだけでは、どのような制作物を開発するのかがイマイチ把握しにくいです。そこでモックアップを作成することで、これから開発するシステムの概要を把握しやすくできます。
制作物の内容が明確になることで、エンジニアの間でリアルな成果物を共有した上でスムーズにシステム開発を進められます。
クライアントの希望を踏まえた開発につながる
モックアップの作成には、クライアントの希望を踏まえたシステム開発にもつながるメリットもあります。
システム開発を開始する前にモックアップをクライアントに共有すれば、「ここはこうした方が良い」などといったフィードバックを得られます。フィードバックを得ることで、希望通りのシステムを開発しやすくなります。
大幅な手戻りや希望と異なる制作物を作るリスクの低減
仮に最初からプロダクトを開発した場合、システム開発中や完成後に、修正点が発生する可能性があります。
システム開発が始まった後に修正点が発生した場合、大幅な手戻りが発生し、プロジェクトの進行が遅くなってしまいます。
一方でモックアップを事前に作成すれば、あらかじめ要望を踏まえた上でシステム開発を開始できるため、手戻りなどのリスクを低減できます。
手戻りや低品質な完成物の開発を回避しやすくなる点は、モックアップを作成する大きなメリットです。
以上の3点がモックアップを作成するメリットです。
弊社でも開発を始める前に、クライアント様にモックアップを共有し、フィードバックを得るようにしています。できる限り完成物に近いモックアップを作ることで、クライアント様の意向を踏まえたシステム開発を実現しています。
モックアップとプロトタイプの違い
モックアップと似た概念に、「プロトタイプ」と呼ばれるものがあります。モックアップと同様に、プロトタイプも顧客側との認識のすり合わせを目的に活用されます。
しかしモックアップとプロトタイプには、大きな違いが存在します。そもそもプロトタイプとは、開発するプロダクトの試作品を意味します。実際に活用する時を想定した物であるため、実際にプログラミングを行って開発します。
つまり、視覚的に制作物のデザインを確認する目的で作るモックアップとは違い、プロトタイプは試し使いにより操作性や機能を確認する目的で作ります。
厳密には異なりますが、モックアップに具体的な機能を追加して、実際に活用できるようにした物がプロトタイプと言えます。そのため、モックアップは短時間かつ比較的低コストで作成できますが、プロトタイプの作成には相応のコストや時間を要します。
両者の違いを踏まえた上で、モックアップとプロトタイプのどちらを活用するかを決定しましょう。
プロトタイプを有効活用した開発方法「プロトタイプ開発」に関して知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
モックアップの制作ツール
最後に、モックアップを制作できるオススメのツールをご紹介します。
数あるモックアップの制作ツールの中でも、下記3つのツールが非常にオススメです。下記で紹介するツールはどれを選んでも間違いない良質ツールですので、無料版を試しつつ、好みのツールを探してみてください。
AdobeXD
AdobeXDとは、UIやUXデザインに優れたモックアップやプロトタイプを、誰でも簡単に作成できるツールです。
このツールの優れている点は、初心者でも簡単に高性能なモックアップを作成できる点です。IllustratorなどのAdobe製品とほぼ同じインターフェイスを採用しているため、直感的に操作することができます。
また、モックアップとプロトタイプを紐付けて作成できるため、実用性の面でも非常に優れています。
加えて、高性能なモックアップの作成ツールであるにも関わらず、とても動作が軽い点もオススメする理由の一つです。
性能面や実用面、動作の軽さなど、あらゆる面を取っても素晴らしいツールです。弊社でもあらゆるモックアップ制作ツールを使ってきましたが、今はAdobeXDに落ち着きました。
Prott
Prottは、コードを書かずとも簡単にモックアップやプロトタイプを作成できるツールです。
数少ない日本語に対応しているツールであるため、英語が苦手な方でも使いやすいです。
また、Prottが公開しているiphoneやAndroidアプリを用いれば、スマホで簡単に作成したプロトタイプやモックアップを確認できます。
加えて、チームによるシステム開発の面でも、Prottは優れたツールです。作成したプロトタイプ(モックアップ)には直接コメントを残す機能がついており、開発チーム間でフィードバックを出しやすい仕様となっています。
AdobeXDがUIやUXに優れたモックアップの作成ツールである一方で、こちらはプロトタイピングツールとしての毛色が強いと言えます。
Moqups
最後にご紹介するのが、「Moqups」というモックアップ作成ツールです。
こちらのツールには、アイコンやメニューボタンなど、モックアップをスムーズに作成する上で役立つ素材が完備されています。
また、作成したモックアップはURLを用いて簡単に共有できるため、チームでのシステム開発を円滑に進めやすくなります。
動作も軽いため、ストレスなくモックアップを作成することが可能です。
最後に
今回は、モックアップの意味やおすすめツールをご紹介しました。
クライアントとの認識のすり合わせを図る上で、モックアップは非常に役立ちます。
新規事業のシステム開発に特化している弊社でも、必要に応じてモックアップをクライアント様と共有しながら、システム開発を進めています。
新規事業を展開する上でシステム開発が必要となった時は、是非お気軽にご相談ください!
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