アプリ開発を伴う新規事業や起業の成功事例を見て、「自社もアプリを活かした新規事業を始めたい」とお考えの方は多くいらっしゃいます。
しかし、アプリの開発には多額の費用がかかります。
費用を抑える為に安さを一番重視して発注先を決めると、安かろう、悪かろうとなり、結果的にクオリティの高いアプリが開発できない恐れがあります。
アプリ開発の際には、費用だけでなく開発のレベルも重視しなくてはいけません。
そんな現状の中、近年は、オフショア開発に注目が集まっています。オフショア開発を活用することで、安い費用で質の高いアプリを開発できる可能性があります。
今回の記事では、アプリをオフショア開発するメリットやデメリット(注意点)などについて徹底的に解説します。
目次
オフショア開発とは
オフショア開発とは、海外でアプリやシステムの開発業務を行う方法です。現地企業に委託する場合もあれば、海外に立地する自社の拠点で開発するケースもあります。
アプリや業務システムの開発はもちろん、システムの運用保守をオフショア開発により実行する場合もあります。
今回の記事では、その中でも「アプリ開発」にスポットを当てて説明します。
アプリをオフショア開発するメリット
アプリのオフショア開発では、以下2つのメリットを期待できます。
低コストでアプリを開発できる
オフショア開発最大のメリットは、低コストでアプリを開発できる点です。
オフショア開発の対象となるアジア諸国は、日本と比べてエンジニアの人件費が大幅に安いです。
日本でアプリを開発するケースと比べて、人件費を5〜6割削減できる国もあります。
低コストで、優秀なエンジニアを起用できる可能性がある
日本で低い人月単価でアプリ開発を依頼すると、レベルの低いエンジニアが開発する事となり、満足いくプロダクトを作れない可能性もあります。
しかしオフショア開発であれば、日本と比べて人件費の水準が低いので、低コストで優秀なエンジニアを起用できる可能性があります。
オフショアで開発した場合、日本では低すぎる給与額であるものの、その国では「高給取り」の部類に入るケースは少なくありません。その国において高給と言える金額を設定すれば、日本では採用できない様な優秀なエンジニアを起用できるかもしれません。
低コストで優秀なエンジニアを起用できる点は、オフショア開発に特有の魅力的なメリットです。
アプリをオフショア開発するデメリットと注意点
一方でアプリのオフショア開発には、以下2つのデメリット(注意点)もあります。
コミュニケーションが取りにくい
オフショア開発を行う際、忘れてはいけないデメリット(注意点)です。
物理的に距離が離れているだけでなく、文化的な背景も異なる為、ブリッジ担当のレベル次第では、コミュニケーションがスムーズにいかない可能性があります。
「こちら側の要望が間違って伝わった結果、想定していたアプリとは異なるものが完成した・・・」という事態にもなりかねません。
仕事に対する考え方に差があるケースが多い
日本と諸外国で仕事に対する考え方に差があるのも、大きなデメリットです。
断言はできないものの、諸外国の人々は真面目な日本人と比べて、仕事に対する責任感が少々軽い傾向があります。(これは、ケースバイケースで、しっかり責任感をもって開発していただける方も大勢いらっしゃいますが…)
納期遵守が当たり前でないことも多く、納期遅れが生じるリスクがあります。
以上2点が、オフショア開発のデメリット(注意点)です。
オフショア開発が失敗する原因と課題
デメリット(注意点)の項でご紹介した通り、アプリをオフショア開発するのは簡単ではありません。何も対策しなければ、オフショア開発は失敗に終わってしまいます。
では、アプリのオフショア開発が失敗する原因とは一体何でしょうか?
オフショア開発が失敗する大半の原因は、「コミュニケーション不足」です。オフショア開発か国内での開発かに関係なく、アプリ開発を成功させる為には発注者と開発者の密なコミュニケーションが不可欠です。
言語や文化の違いを理由に、面倒がってコミュニケーションをおろそかにした結果、アプリ開発が頓挫した事例を数多く見てきました。
開発当初から「どんなアプリを作るのか」を相手側が理解するまで徹底的に話し合い、開発過程では定期的に進捗管理を行うことが重要です。
「方向のすり合わせ」と「進捗管理」、この二つの課題に取り組めば、アプリのオフショア開発が失敗する事態を回避できるでしょう。
アプリのオフショア開発で注目されている国3選
最後に、アプリのオフショア開発に実績がある国を3ヶ国ご紹介します。
ベトナム
アプリのオフショア開発先として、近年最も注目されている国がベトナムです。
政府がICT教育を積極的に推進している影響で、ベトナムでは優秀なエンジニアが年々増加しています。その一方で新興国である為、日本と比べると安価でエンジニアを起用できる可能性が高いです。
日本語を理解できる人や真面目な性格の人も多いため、一緒に仕事を行うパートナーを選びやすいでしょう。
インド
IT大国として有名なインドも、アプリのオフショア開発国としてオススメです。
一昔前から欧米企業からのオフショア開発を受注していたため、実績は他の国と比べてもピカイチです。
また、豊富な実績に加えて優秀な人材が多い点も、インドにオフショア開発を依頼するメリットの一つです。高度な技術を要するアプリを開発する際は、インドをオフショア開発先として選ぶのがオススメです。
ただし著しい経済発展に伴い、他のオフショア開発先と比べて人件費が高騰しています。よって、十分な予算が無ければ、優秀なエンジニアを確保するのは難しいです。
バングラディシュ
バングラディシュは、ベトナムと同様に近年注目を集めているオフショア開発国です。
あまり馴染みのない国だと思いますが、オフショア開発の選定国として注目を集める様になりました。
また人件費の安さも、バングラディシュにアプリのオフショア開発を依頼するメリットの一つです。人件費の安さで有名なベトナムと比べても、約3割程度安いと言われています。
ただし転職率の高さや生活インフラの不便さ、不安定な政治情勢など、デメリットも少なくありません。
他の国にも言えますが、考え得るリスクを想定した上で、オフショア開発を実施することが大切です。
最後に
今回は、アプリをオフショア開発するメリット・デメリットや失敗原因、課題などについてご紹介しました。
人件費削減などのメリットがあるオフショア開発ですが、コミュニケーションが取りづらいといったデメリットもあり、成功させるのは簡単ではありません。
今回ご紹介した失敗原因や課題を、アプリをオフショア開発検討時に参考にしてもらえると幸いです。