新規事業の立ち上げは非常に魅力的な選択肢です。
しかし一方で、新規事業の成功確率は1割以下と言われており、志を高く持って新規事業を立ち上げても、そのほとんどは失敗に終わるのが現実です。
そこで今回の記事では、新規事業が失敗する理由(原因)を、大企業の事例も交えつつご紹介します。新規事業が失敗する理由を知ることで、新規事業が失敗する可能性を多少なりとも減らせるかもしれません。
新規事業の立ち上げを検討している方や、検討してはいないものの失敗理由を知りたいという方などに必見の内容です。
目次
新規事業が失敗する理由その1:顧客のニーズを汲み取れていない
新規事業が失敗に終わる最も大きな理由は、顧客のニーズに沿っていないサービスや商品販売を展開してしまうことだと言われています。
「顧客のニーズを汲み取れていない」と一概に言っても、その背景には下記二つの原因があると考えられます。
プロダクトアウトの思考に偏っている
プロダクトアウトの思考とは、自社内の計画や能力を基準に、新規事業を展開する方法です。
具体的にいうと、「自社の持つ○○という強みを活かせるから」とか「自社には○○という課題があるから」といった理由で、新規事業を展開するケースが、プロダクトアウトの考え方になります。
確かに強みを活かせたり、自社の課題を解決する形で新規事業を始めるのは、間違っていません。問題なのは、プロダクトアウトの思考に偏りすぎることです。
新規事業を実施する際、顧客のニーズに合致するプロダクトを提供しないと、新規事業が失敗する可能性が高まってしまいます。
自社の強みや課題を踏まえつつ、顧客のニーズにも目を向ける必要があると言えるでしょう。
顧客のニーズを考えてはいるものの、十分検討できていない
基本的に多くの会社では、新規事業を立ち上げる際に顧客ニーズを検討するかと思います。
それでも失敗してしまうのは、顧客のニーズを十分汲み取れていないことが原因かもしれません。
たとえば企業が顧客の抱えるニーズをどれほど想定しても、「実際にはそんなニーズは無かった」というケースは多々あります。もしくはニーズはあるものの、「お金を払ってまで解決すべきニーズでは無かった」というケースも考えられます。
新規事業の成功可能性を高めるためには、お金を払ってでも解決したいニーズを汲み取る方が良いと言われています。とはいえ、どれほど市場調査をしたところで、100%顧客の潜在的なニーズを汲みとれるとは限りません。
そこでオススメなのは、最初は試作品的なもので、顧客のニーズを確かめることです。顧客のニーズが存在することが判明してから、本格的に新規事業を始めることで、失敗するリスクを低減させることができます。
このような新規事業の立ち上げ方法を、「リーンスタートアップ」と言います。リーンスタートアップについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
新規事業が失敗する理由その2:市場参入のタイミングを見誤る
新規事業が失敗する二つ目の理由は、市場参入のタイミングを見誤ることです。
顧客のニーズを掴めていて、かつ魅力的なサービスや商品であっても、タイミングを間違えると、新規事業が失敗する可能性は高まってしまいます。
たとえば顧客のニーズが十分あると分かった段階で新規参入した場合、すでに競争が激化しているため、新規事業が成功する可能性は低くなります。差別化戦略により後発企業が勝つケースもあるものの、難易度はかなり高いでしょう。
新規事業を失敗させないためには、やはり「他社に先駆けて顧客のニーズを汲み取った上で、新規事業を展開する」戦略が良いと思います。
市場の変化や技術の進歩に常に気を配り、時の経過によって変わる顧客のニーズをいち早く捉えることが、新規事業の成功可能性を高める上で重要だと私たちは考えています。
新規事業が失敗する理由その3:経営資源(スキルや人材)の不足
新規事業が失敗する三つ目の理由は、経営資源の不足です。
どれほど優れたプランがあっても、それを実行できる経営資源(スキルや人材など)が無ければ、新規事業を展開するのが困難となるでしょう。
たとえば、流行りのAI関連の事業を始めようと思ったら、基本的にはAI技術に精通したエンジニアなどの人材が必須となります。もしくは純粋に商品を販売する新規事業であれば、営業のためにより多くの人材が必要になるでしょう。
計画を達成するために必要な経営資源が揃っていなければ、新規事業が失敗する可能性は跳ね上がってしまうかもしれません。
大企業における新規事業の失敗事例
優秀な人材や豊富な資金力が揃っている大企業でも、新規事業が失敗に終わってしまう事例は少なくありません。
この項では、大企業における新規事業の失敗事例を、「CNET Japan」さんが公開している記事(下記にリンクを掲載)を参考に考えてみようと思います。
この記事では、ヤマハさんやヤフーさんなどの大企業で新規事業を担当している方が、セミナーにて自身の経験事例を語った内容が掲載されています。
大企業で新規事業が失敗する理由として、記事内では「ユースケースの想定が甘い(不足する)」ことが語られています。
「顧客がどのような課題を持っていて、自社のサービスをどのように活用するのか」を十分検討していなければ、経営資源が豊富な大企業であっても、新規事業が失敗してしまうことが分かります。
この失敗事例を踏まえて、大企業が新規事業を成功させるためには、「ベンチャー企業の感覚で熱意を持って事業に取り組むこと」が大切だとも語られています。
ご紹介したのは大企業の失敗事例ではありますが、これから新規事業を始める方にとっても非常に役立つ教訓だと思います。
大企業における新規事業の失敗事例について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧になってください。
最後に
今回の記事では、新規事業が失敗する理由(原因)を、大企業の失敗事例を交えつつご紹介しました。
新規事業が失敗する理由には、顧客ニーズを汲み取れていないことや経営資源の不足など様々です。
新規事業を始める際には、あらかじめ失敗する理由(原因)を知っておくことで、失敗するリスクを1%でも減らせると思います。今回ご紹介した内容が、新規事業の立ち上げ時に役立つと幸いです。
最後に弊社の事業内容についてご紹介させてください。弊社では、新規事業を行う方に向けて、システム開発やアプリ開発を承っています。
新規事業を進める上でシステム・アプリ開発が必要となった際は、ぜひお気軽にご相談ください!