システム開発やアプリ開発のプロジェクトを成功させる上で、要件定義は非常に重要なプロセスです。
システム開発やアプリ開発を外注した結果、想定していたものとは異なる成果物が出来上がるケースは少なくありません。
「こんなはずじゃなかった」とならない為にも、システム開発やアプリ開発のプロジェクトを開始する際には、要件定義をしっかりと行って欲しいと思います。
そこで今回は、システム開発やアプリ開発の要件定義で重要なポイントを分かりやすく解説します。今回の記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
要件定義とは
そもそも要件定義とは、開発したい成果物の内容をあらかじめ明確に定めることを意味します。
もっと簡単に言うと、「システム開発(アプリ開発)でどんなものを作りたいのか」を開発者側と共有するプロセスです。
なぜ要件定義が重要なのか?
システム開発やアプリ開発において、なぜ要件定義はとても重要と言われるのでしょうか?
要件定義が重要である理由を一言で表すと、「本当に必要なものを作るため」です。一見すると当たり前のように思われるかと思いますが、システム開発(アプリ開発)の結果、顧客側の要望と異なる成果物が出来上がるケースは少なくありません。
そもそも要件定義の段階では、お客様側が「本当に必要なもの」を把握できていないケースが多いように感じます。
要件定義が不十分なままだと、こんな事に…
参考画像:ニコニコ動画 顧客が本当に必要だったもの
この画像は、システム開発のプロジェクトで発生しがちな問題を風刺したものです。
要件定義を丁寧に行わないと、上記の風刺画の様に、開発サイドがお客様にとって本当に必要なものを理解しないままプロジェクトが始まってしまいます。そして、顧客サイドと直接関わる人物が要件を正確に把握していないが故に、実際に設計するプログラマーには情報がさらに改変されて伝わります。
要件定義をしっかり行わないと、上記のように本当のニーズからどんどんかけ離れていき、最終的には全く意図しない成果物が完成してしまうというわけです。
上記の事態に陥るリスクを回避するためにも、システム開発(アプリ開発)において要件定義はしっかり実施する必要があります。
要件定義で失敗しないために意識したいポイント
要件定義を失敗させない(プロジェクトを成功させる)為に、お客様の方で意識した方が良いと思うポイントを3つご紹介します。
ここでお伝えするポイントを意識することで、システム開発(アプリ開発)の要件定義が成功しやすくなります。
事業内容なども含んだプロジェクトの全体像を開発サイドにしっかり伝える
あるシステムの一部分のみ外注する場合でも、開発サイドにプロジェクトの全体像をしっかり説明する必要があります。
その際ただ単にシステムの用途や要望を伝えるだけでなく、事業内容や事業戦略についても共有する方が良いでしょう。
具体的に言うと、たとえばアプリ開発であれば下記のような事項を共有するのがオススメです。
- ターゲットユーザーはどんな人か
- マネタイズのプラン
- 集客戦略
- 事業計画のマイルストーン
事業全体について開発サイドと共有すると、開発サイドがリクエストした機能や仕様の意図を事業者視点で理解できる為、実装コストが低く効果的な代替案などを提案しやすくなります。
つまり事業内容全体について開発サイドが把握すれば、顧客側の抱える真のニーズを捉えやすくなる訳です。
システム開発やアプリ開発を外注する際は、プロジェクトの全体像をしっかり伝えることを重視しましょう。
モックアップなどによりビジュアルで完成物のイメージを共有する
口頭で要求を伝えることには限界があるので、モックアップ(完成物のイメージを視覚的に把握できるもの)などを用いて、視覚的に完成物のイメージを共有するのもオススメです。
文章中心の要件定義書だけでは、システム開発やアプリ開発の全体像を把握しにくいです。一方でモックアップを用いれば、目で見て直感的に完成物の内容を把握しやすくなります。
モックアップにより完成物のイメージを共有しやすくなる結果、顧客側の潜在的なニーズを踏まえたシステム開発(アプリ開発)が可能になります。また、要件定義の段階で開発するプロダクトを明確にできるため、手戻りが生じるリスクを軽減できます。
以上の通り、モックアップを用いると多大なメリットを得られます。開発会社側にモックアップを用いるように要望しても良いでしょうし、発注者自身がモックアップの制作ツールなどを使って、作成・説明するのも良いでしょう。
なお弊社では、要件定義書を最終確定して開発をスタートする前に、必ずモックアップを作成し、ビジュアルで完成物のイメージを共有する様にしています。
モックアップについては下記記事で説明しています。
発注サイドと開発サイドが密度の高いコミュニケーションを行う
色々と説明してきましたが、結局のところ発注者と開発者のコミュニケーションが一番重要になります。
システム開発やアプリ開発が失敗する最たる要因は、双方のコミュニケーション不足です。
開発者サイドは、本当に必要なものが何かを理解できるまで、顧客と向き合ってコミュニケーションを取ることが重要になります。
一方で発注者サイドも、開発会社に丸投げするスタンスではなく、システム開発(アプリ開発)のプロジェクトにしっかりコミットすることが大切だと私たちは考えています。
システム・アプリ開発を成功に導く要件定義の進め方
これまで説明してきた内容を踏まえて、システム開発(アプリ開発)を成功に導く要件定義の進め方を簡単にご紹介します。
開発サイドによるヒアリング
まず初めに、開発サイドが顧客に対してヒアリングを行います。
事業内容や事業戦略を踏まえて、開発者側が顧客の抱える潜在的なニーズを理解するまで、徹底的にコミュニケーションを取ることが大切です。
要件定義書の作成
顧客からヒアリングして得た要求を基に、開発サイドで要件定義書を作ります。
要件定義書を作成する際には、単に顧客サイドの要求を全て盛り込む訳ではありません。実現可能性や潜在的に抱えているニーズを踏まえて、本当に必要な機能をブラッシュアップした上で、それを要件定義書に盛り込みます。
必要性がある場合には、再度顧客とのヒアリングを行うケースもあります。
再度コミュニケーションが発生するのを面倒に思うかもしれませんが、「こんなもの欲しくなかった」とならない為にも重要なプロセスです。
ロードマップの設計
最後に作成した要件定義書を含めて、今後のシステム開発(アプリ開発)のスケジュールを設計します。
今後の段取りを明確にし、どの工程にどのくらいの期間が必要かを一つ一つ取り決めていきます。
最後に
今回は、システム開発やアプリ開発の要件定義に関して、成功させるために押さえておきたいポイントをご紹介しました。
色々とお伝えしましたが、結論を言うと「開発者と発注者のコミュニケーション」が重要です。
事業内容を含めたプロジェクトの全体像を開発サイドと共有することで、システム開発やアプリ開発の要件定義を成功する可能性を高めることができるでしょう。
弊社では、新規事業に特化したアプリ開発・システム開発を承っています。要件定義からしっかり丁寧に行うことを心がけているので、新規事業でアプリやシステムの開発が必要となった際は、気軽にご相談ください!
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